加齢黄斑変性は、アメリカやヨーロッパの中高年の失明原因の第一でした。
以前は日本ではそれほど多くはなかったですが、最近増えてきていて現在失明原因の第4位です。
原因はいろいろ考えられていますが、不明です。遺伝的要因や環境、食事など考えられています。
加齢黄斑変性は2タイプあり、萎縮型と血管新生型です。
萎縮型は視力低下も強くなく、進行も年単位で進行します。
一方、血管新生型は、急激に視力低下を起こすタイプです。
中心部に出血を起こしたり浮腫を起こし著しく日常生活に支障をきたします。
基本的に放置したら視力低下は進行していきます。
原因が不明のため、長年治療も苦慮してきました。
血管新生型の場合、悪い血管にレーザーをしたり、温熱療法、手術的に取り除いたり、
網膜回転術をしたりしていましたが、どの治療も効果的ではなく、研究が進められていました。
2004年に光線力学療法から使用できるようになり、今までは視力低下するのが
常識でしたが、初めて視力維持(よくすることは出来ませんが)のある治療法ができました。
さらに研究が進み、視力改善効果が期待できる硝子体内注射が2009年から使えるようになりました。
この治療により難病だった加齢黄斑変性が治る病気になりました。
症状
視力低下、ゆがんで物が見える
診断基準
滲出型加齢黄斑変性の診断基準
年齢50歳以上で、中心窩を中心とする直径6000μm以内の領域に次のような病変をみとめます
1前駆病変
軟性ドルーゼン、網膜色素上皮異常(色素上皮の色素消失、色素沈着、色素むら、小型の漿液性色素上皮剥離(乳頭経未満))
2滲出型加齢黄斑変性
主要所見:以下の主要所見が少なくとも1つを満たすもの
- 脈絡膜新生血管
- 漿液性網膜色素上皮剥離
- 出血性網膜色素上皮剥離
- 線維性瘢痕
随伴所見:以下の所見を伴うことが多い
- 滲出性変化:網膜下灰白色斑(網膜下フィブリン)、硬性白斑、網膜浮腫、漿液性網膜剥離
- 網膜または網膜下出血
除外規定
近視、炎症性疾患、変性疾患、外傷などによる病変を除外する。
萎縮型加齢黄斑変性の診断基準
1視力 視力の規定はない
2眼底所見 年齢50歳以上の症例において、中心窩を中心とする6000μm以内の領域に以下の特徴をみたす地図状萎縮を認める。
必須所見 以下のすべてを満たすものを地図状萎縮とする
- 直径250μm以上
- 円形、卵円形、房状または地図状の形態
- 境界明瞭
- 網膜色素上皮の低色素または脱色素変化
- 脈絡膜中大血管が明瞭に透見可能