加齢現象が進み、後部硝子体剥離によって硝子体が網膜とくに大事な中心部の黄斑部に牽引(ひっぱる)が強い状態をいいます。
網膜がひっぱられて視力低下をひきをおこします。
後部硝子体剥離とは
正常な眼球の断面図の模式図です。緑の部分が硝子体です。硝子体は透明な寒天のようなものです。若い時は眼球の内腔を埋め尽くしています。
年齢とともに硝子体は小さくなってきます。そのため網膜からだんだんと離れていきます。それを後部硝子体剥離といいます。
緑の硝子体と網膜の間の空間は液体に置き換わってきます。その部分を液化硝子体と呼びます。これが正常の加齢現象です。
さらに加齢が進むと硝子体剥離は進んでいきます。この後部硝子体剥離がうまく起こらないと様々な眼の病気(網膜剥離や黄斑円孔など)を引き起こします。
三次元画像解析(OCT)の網膜と硝子体。緑で描いているのが硝子体(模式図)になります。
加齢現象により後部硝子体剥離が起こり硝子体(緑)が網膜から離れていっています。
模式図のない後部硝子体剥離。白い線が硝子体の境界です。
後部硝子体剥離がうまくいかず、黄斑部を硝子体がひっぱっています。
さらにひっぱって網膜を引き裂こうとしています。これが硝子体黄斑牽引症候群です。視力低下につながります。
治療は硝子体手術を行い、牽引を解きます。