ぶどう膜炎には大きく分けて、ぶどう膜が原因(原発)のものと、転移性あるいは近隣組織から炎症が波及して起こすものとに分かれます。
ぶどう膜は眼球三層構造(角膜+強膜、ぶどう膜、網膜)のうちの真ん中の層です。
ぶどう膜の炎症の部位によって以下に分類されます。
1.虹彩炎
2.毛様体炎
虹彩・毛様体はともに炎症起こすことが多く、虹彩毛様体炎または前部ぶどう膜炎といわれることもあります。
3.脈絡膜炎
脈絡膜単独に炎症を起こすものを脈絡膜炎という。網膜も隣接するため、網膜炎を合併することも多いです。
4.全ぶどう膜炎
ぶどう膜全体に炎症が広がっている状態
病理学的に肉芽性と非肉芽性に分けられます。
ぶどう膜炎の症状。
1自覚症状 ①虹彩毛様体炎:まぶしさ、流涙、眼痛、霧視、結膜の充血、視力低下
②脈絡膜炎:飛蚊症、霧視、視力低下
2他覚所見
毛様充血(角膜輪部に接した部位の充血)
前房混濁
前房内細胞遊出
角膜後面沈着物(矢印の白い点々)
縮瞳
虹彩後癒着(矢印の部分が虹彩と水晶体がくっついている)
瞳孔遮断・瞳孔閉鎖(虹彩と水晶体が全周くっついてしまっています)
周辺部虹彩前癒着
虹彩ルベオージス:虹彩炎や虹彩毛様体炎の末期に虹彩表面に新生血管がみられることがあります。眼圧が上昇がみられ
難治性です。
硝子体混濁:硝子体中に炎症産物や細胞が滲出し混濁します。びまん性の混濁や塊状混濁(雪玉状混濁)や真珠の首飾り状混濁がみられます。
眼底には視神経乳頭の充血・腫脹、網膜の浮腫、滲出物による網膜剥離や黄斑部浮腫がみられます。
視神経充血
黄斑部浮腫