視野、視野検査

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視野vistal field とは、視線を固定した状態でみえる範囲をいいます。視野は網膜から

視中枢に至る視路の機能の投影であり、視路のどこかに障害があれば、その障害部位に応じて特徴的な視野の異常が認められます。

① 量的視野 quantitative visual field, Goldmann 視野計など

網膜の各部位の感度は異なり、中心小窩の感性が一番高く、周辺部に向かうにつれて感度は低くなります。視神経乳頭の部(中心から約 15° 外側)の感度は0でありてマリオット音点Mariotte blind spot (マ盲点)といいます。視標の大きさ・明るさを数段階変化させ、それら視標を認知できる電囲をブロットすると、刺激の強さ(視標の大きさと輝度の組み合わせ)に応じて地図の等高線に似た視野が得られます。

  1. 動的視野 kinetic perimetry:視標を動かしその視標に応じた感度の点を結び合わせた等感度曲線(イソプター isopter)を描く方法.
  2. 静的視野 static perimetry:視標を動かさなくてその明るさを変化させ、視野の投影曲線(プロフィル profile)を描く方法。

② 視野の広さ

正常眼の視野の広さ (視野の島の海岸線の広さ=最大の視標で最大の明るさで測定したもの)は外方100、内方60,上方60,下方は70°です。

色視標を用いたとき(色視野)には正常眼では,白・青・赤・緑の順に狭くなります。

③ 視野の測定方法

1)周辺視野計測法

  1. 対面検査 confrontation test:検者と彼検者が向かい合い,右眼を検査するときには彼検者の左眼を遮蔽し検者は左眼をつむり,互いの眼を注視していて、両者の中間に検者の手にもった視標または検者の指を周辺部から中心に向かって移動させれば,両者は同じように視標がみえるはずであり、大きな視野欠損の検出やスクリーニングの目的で行ないます。
  2. 定量視野計:Goldmann の視野計が一般的、半円形のドームで彼検者の眼までの距離は33cm、背景の輝度、視標の大きさ・明るさが調節でき、半自動的に視野がプロットできる。測定時の瞳孔径も付属の望遠鏡で測定できます。
  3. 自動視野計:一定のプログラムに従って視標を呈示しその結果を記録するもので,視標の大きさは一定で輝度のみが変化します、静的視野測定の一種。

2 中心根野計測法:30以内の視野を中心心視野という。

① 中心視野表

Amsler chart : 縦と横に線を印字した紙で、患者にこの紙の上にみにくい、またはみえない部位を鉛筆でかかせる。また線がゆがんでみえたらそのようにかいてもらいます。

  1. 平板視野計 campineter:板状の視野計から1m離れて放検者が受り、中心の間視点を注視していて、検者の示す根標のみえ方を答える。視標を光業的に投影するものを投影式平面視野計という。
  2. 静的平面視野計:半円形の部分に一度に数個の刺激点を呈示し(多数刺激法multiple stimulus statie perimetry)、その部位、数を答えさせる。あらかにめ設定された部位の感度を測定するもので,視標の大きさは変化できないが、その輝度を変化させ測定する。

④ フリッカー視野 flicker fusion field:点滅する視標のちらつきが癒合する頻度(Hz) をもって視野各部位の感度をプロットする方法で,第二ニューロン以下の障害でとくに変化が著明である。

④ 視野の障害
視野異常の主なものは、狭容・沈下・暗点です。

l) 狭 窄contraction
最大の刺激による視野が狭くなるものであり、以下のものがあります。

  1. 求心性狭窄 concentric contraction:視野全体が狭いもので,網膜色素変性症や緑内障の末期にみられる。小児では正常眼でも求心性狭窄状の視野が得られることがあり,その判定には注意が必要である。極度の求心性狭容は両側の後頭葉障害でみられることがあります。
  2. 不規則狭窄:種々の眼底疾患(網膜剝離・緑内障の初期・網膜血管閉塞症)
    や視路の変化でみられます。
  3. 半盲hemianopsia:注視点を通るモ直線を境として、両眼の視野の左右のいずれかがみえなくなるものであり、次のようなものがあります。
  1. 同名半nhomonymous hemianopsia : 両限の視野の左右のいずれかがみえなくなる(狭容する)もので視索から後方の視路の障害による。
  2. 異名半盲 heteronymous hemianopsia: 視野の両側または両耳側の狭習を示すもので視交叉部の障害で起きる。

視野(3)

© 1/4 半盲 quadrant hemianopsia:両眼の視野の同側の1/4が狭窄するもので視放線から視中枢の間の障害で起きる。

  1. 黄斑回避macular sparing と黄斑分割 macular splitting:同名半首で半盲部分の視野の中心部分が小さく半門形に残るものを黄を回避といい、後頭葉の障害で起きる。同名半音であっても視野の注視点を通るで直線で完全に分けられるものを黄斑分割といい視索の障害で起こる。
  2. 水平半盲 horizontal hemianopsia:視野の上半部または下半部の狭窄するもので,眼底疾患でも起こるが、虚血性視神経症での特徴的所見といわれている。

2) 沈下 depression

狭窄とは異なり最大刺激による視野は正常であるが,内部 isopter の感度の低下をさす。

3) 暗点 scotoma

視野の中に孤立的に点状,斑点状に生じた欠損で,部位・程度・自覚するか否かにより種々の名称が与えられる。

  1. 部位による分類:中心暗点・傍中心暗点・周辺暗点・輪状暗点など
  2. 程度による分類:絶対暗点:視標が全くみえないもの

比較暗点:程度の差はあっても薄くみえるもの

③ 自覚するか否かによる分類:
実性暗点:暗点として自覚するもの
虚性暗点:暗点は検出できるがその存在を自覚しないもの

マリオット盲点は虚性暗点です。

5 機能的視野障害

  1. 関輝暗点 scintillating scotoma:視野の一部に関光状のものが走り、その部分では物がみえないもの,片頭痛でみられる。
  2. 管状視野 tubular field:どの距離で測定しても同じ広さの視野を示す、簡を通してみた状態と一致し管状視野(図(2))という。
  3. ラセン状視野 spiral field:視野測定時に測定経線をかえていくにつれて視野が狭くなり、次第に固視点に近づいていくものをいいます。

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