ランキングにご協力ください!
↓↓
目・眼ランキング
ぶどう膜炎とはさまざまな原因により、眼球のぶどう膜とうい部分に炎症を起こす病気です。その原因とは主に、最近やウイルスなどの病原体の感染によるものや自己免疫疾患による炎症、腫瘍細胞などの眼転移により起こるものなどさまざまな原因があります。
眼球は大まかに分けて3層構造になっています。一番外側は角膜および強膜です。主に眼球の形を保ったり、外界からの衝撃から守ったりする役割があります。角膜は透明性を保ち視力維持に貢献しています。中間の組織にぶどう膜、一番内側に網膜があり、ぶどう膜炎はそこの炎症を起こします。しかし眼球は小さくぶどう膜は強膜や網膜に隣接しているため、網膜の炎症や強膜の炎症がすぐにぶどう膜へ波及するため、眼球内のどこに炎症をおこしてもぶどう膜炎を起こすため、ぶどう膜炎を総称して眼内炎や眼球炎などともよばれたりします。
ぶどう膜は虹彩、毛様体、脈絡膜によって構成されているため、炎症を起こしている主な部分にによって、虹彩炎、毛様体炎、脈絡膜炎とも呼ぶこともあります。またぶどう膜の前方か後方によっても、前部ぶどう膜炎、後部ぶどう膜炎と分類することもあります。
ぶどう膜の機能はそれぞれ部位によっても異なります。虹彩の役割は、カメラの絞りに相当し、毛様体は房水という眼球内の水分を産生する場所、脈絡膜は網膜などに血液なのどの栄養分を供給したり、免疫に関与するところです。
眼球は見る大事な器官ですので、眼球内は透明である必要があります。
生物は外敵から体を守るために免疫というものが存在します。つまり、外敵が体内に入ると様々な免疫反応=炎症を起こします。しかし、眼球で免疫反応=炎症を起こすと眼球内部はにごってしまい、視力低下につながってしまいます。そのため眼球というのは他のからだの部分と違い、なるべく炎症反応を起こさないような構造になっています。つまり、眼球内部に細菌やウイルスなどの外敵が入りにくくなっており、しかも外敵が眼球内部に侵入してきてもそれに対して、免疫反応をなるべくしないようにしようとします。そのため、一旦眼球内に細菌やウイルスなどの外敵が侵入するとあっという間に細菌は増殖して失明につながってしまいます。免疫反応も弱い上に抗生物質(ばい菌を殺す)を全身投与しても、眼球内に移行しにくいのでさらに状況は悪化していきます。
ちなみに最近加齢黄斑変性という病気に硝子体注射することがありますが、
点眼したり、内服や点滴などの全身投与では眼球内に入らないため直接注射によって眼球内に投与します。
このため、眼球は眼球以外と眼球内でバリアーが作られています。それをブラッドオキュラーバリアー(眼―血液関門)といいます。同じような言葉で脳にもブラッドオキュラーバリアー(脳ー血液関門)があり、脳も細菌やウイルスなどから守られています。
結膜炎や角膜炎とうのはよく聞くと思いますが、結膜や角膜は外界から露出しており、細菌やウイルスなどの感染は容易に起こりやすいですが、眼球内のぶどう膜はブラッドオキュラーによって守られているため、ぶどう膜炎の頻度は結膜炎や角膜炎などよりずっと少ないです。つまりぶどう膜炎を起こすのはまれで特殊であるといえます。