ガスタンポナーデ 硝子体手術後のうつむき姿勢

  • URLをコピーしました!

硝子体手術時にガスを注入して、手術後一定期間うつむき姿勢する治療法があります。

病気は網膜剥離や黄斑円孔の治療法です。

硝子体は図の緑色の部分をいいます。透明なゲル状の物質です。網膜剥離や黄斑円孔に対する硝子体手術により、この硝子体を除去します。

このようにガスを手術終了時に注入します。ガスはSF6やC3F8です。空気より軽いため上に向かって押し付けます。押し付けることをタンポナーデ(ガスタンポナーデ)といいます。この浮力を利用して網膜剥離の裂孔をふさぎます。ガス以外は前房水で置き換わります。眼内長期滞留ガスともよばれます。

この状態は座ったり立ったりしているため、ガスは上向きのため治療効果を発揮するためにうつむき姿勢になる必要があります。

黄斑円孔や網膜剥離の裂孔をタンポナーデするには図のようにうつむき姿勢になる必要があります。

ガスを注入した眼底写真。上方にガスがみられます。

黄斑円孔の眼底三次元画像解析(OCT)画像。黄斑部に円孔があります。

硝子体手術およびガスタンポナーデをした後の状態。黄斑円孔は治癒しています。

ガスは種類により滞留する期間が異なります。SF6は1~2週間、C3F8は2~3週間滞留しています。その期間はうつむきが必要です。うつむきの終了は医師から指示を受けます。

また、網膜剥離の再手術などで、さらに長期間タンポナーデが必要な状態では、ガスではなくシリコンオイルという物質を硝子体内に注入します。水より軽いため、ガス同様浮力によりタンポナーデ効果を長期間保てます。シリコンオイルはガスのように消失しないため、治療が完了した後、シリコンオイルを除去する手術をする必要があります。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人