網膜中心動脈閉塞症 網膜動脈分枝閉塞症

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網膜にも動脈と静脈が存在します。

眼球の後ろから視神経のそばを網膜中心動脈と網膜中心静脈が入ってきています。

正常な眼底写真。赤矢印が網膜静脈、青矢印が網膜動脈です。

この網膜の動脈がつまる病気が網膜中心動脈閉塞症あるいは網膜動脈分枝閉塞症です。違いは中心がつまるか、中心の先の枝の部分がつまるかの違いです。もちろん中心でつまるほうが重症です。

症状は突然の視力障害、視野障害です。ある朝起きたら突然見えなかったなどです。

眼底検査ではつまった部分に一致する網膜が白濁します。網膜動脈がつまって浮腫を起こしている状態です。

網膜動脈分枝閉塞症の眼底写真。青線で囲った部分が白濁しています。この部分がつまってます。

網膜中心動脈閉塞症の眼底写真。網膜全体がつまってしまって、全体が白濁しています。網膜中心だけは白くなくてcherry red spotと呼ばれています。

原因は不明ですが、一般的な心筋梗塞や脳梗塞などの血栓症と同じです。血栓症が起こりやすい状態、つまり動脈硬化や高血圧、糖尿病などの基礎疾患があると発症しやすいです。また、不整脈や弁膜症などにより血栓が飛んでくることもあります。

症状は急激な視力低下。視野異常。特に網膜中心動脈閉塞症は、強い視力障害が起こります。網膜動脈分枝閉塞症では、白濁した部分に一致した視野欠損を自覚します。

視力予後。視力予後は極めて不良です。治療を施しても強い視力障害が残ります。

治療法。眼球マッサージ、眼圧下降(ダイアモックス投与など)。眼球マッサージをすることにより、つまった血栓を飛ばす効果を期待します。

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