正常眼圧緑内障の治療の原則は
眼圧を下げること。
眼圧の目標値は緑内障の重症度や進行スピードによってかわりますので、
個人個人で目標眼圧は異なります。
しかし出来るだけ下げるにこしたことはありません。
眼圧というのは房水の産生と排出のバランスによって成り立ちます。
簡単にいうと、水道の蛇口の水の水量と排水溝の流れ出の量によって
シンクのたまり具合が変わってきます。水道の水の量が多くなれば
シンクの水があふれてきますし(眼圧が高くなると同じ)
排水溝が詰まって流れ出が悪くなっても水があふれてきます。
眼圧の調整は房水産生量と排出量とのバランスです。房水の産生は毛様体というところで
排出は隅角の線維柱帯(その後シュレム管)とぶどう膜強膜流出路の二つがあり、
線維柱帯流出は85%、ぶどう膜強膜流出路は15%
緑内障の眼圧下降させる点眼薬はこの房水産生抑えたり房水排出を促進することによって眼圧を下降させます。
主な緑内障治療点眼薬
プロスタグランジン関連薬(ぶどう膜強膜流出路流出促進)
キサラタン、トラバタンズ、タプロス、ルミガン、レスキュラ
α1遮断薬(ぶどう膜強膜流出路流出促進)
デタントール
非選択性交換神経刺激薬(ぶどう膜強膜流出路流出促進、線維柱帯流出路促進、房水産生抑制)
ピバレフリン
α2作動薬(ぶどう膜強膜流出路流出促進、房水産生抑制)
アイファガン
ROCK阻害薬(線維柱帯流出路促進)
グラナテック
αβ遮断薬(ぶどう膜強膜流出路流出促進、房水産生抑制)
ハイパジールコーワ、ミロル
副交感刺激薬(房水流出促進)
サンピロ
非選択性β遮断薬(房水産生抑制)
チモプトール
ミケラン
リズモン
β1選択性β遮断薬(房水産生抑制)
ベトプティック
炭酸脱水酵素阻害剤(房水産生抑制)
トルソプト
エイゾプト
配合剤(2剤が混ざっている)
プロスタグランジン関連薬+非選択性β遮断薬
タプコム、ザラカム、デュオトラバ、ミケルナ
炭酸脱水酵素阻害剤+非選択性β遮断薬
コソプト、アゾルガ
点眼療法の方針
まずは第一選択薬のプロスタグランジン関連薬から開始します。
この点眼薬が現在の治療薬で一番効果が高いためまずはこの点眼一種類から開始します。
必要に応じて他の点眼を加えていきます。
全身副作用は少ないですが、この点眼長期間していると睫毛が伸びたり濃くなったり、
瞼が黒ずんできたり、眼球がくぼんできたりします。そのため、それを避けるため
点眼はお風呂に入る前に点眼してそれが終わったら、眼を洗うようにしましょう。
またこの点眼始める頃はしみたり、充血したりする場合がありますが、
だんだん慣れてくることが多いです。長期間しみたり充血続く場合は種類を変更することがあります。
それでも治療効果が不十分な場合点眼追加します。
第2選択薬(2番目に効くお薬)は非選択性β遮断薬です。
この点眼は全身副作用が多い薬なので不整脈などの心疾患や喘息のある方は使えません。