網膜静脈分枝閉塞症、網膜中心静脈閉塞症

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ある日朝起きたら突然見えなくなっていた。 そんな病気怖いですよね。しかし、よく見られる病気に網膜静脈分枝閉塞症という病気があります。 大体成人の30人に一人くらいかかり、クラスに一人って割合でかかるポピュラーな病気です。 心筋梗塞や脳梗塞のようないわゆる血管が詰まる病気。眼の病気というより体の病気です。症状は無症状の人もいれば、急激な視力低下、視野欠損です。

正常な眼底が

血管が詰まって血が噴き出しています。

こちらも血管がつまって出血しています。中心部付近なので視力低下しています。

こちらも中心部付近まで出血しています。網膜静脈分枝閉塞症をおこす部位や範囲によって視力や視野異常の程度が変わってきます。中心付近に出血や浮腫が起こると著しく視力低下を起こしてきます。逆に周辺部の出血ですと自覚症状なく過ごすこともあります。問題は出血を起こした後の経過です。網膜に新生血管を発生させて、硝子体出血を起こしたり、網膜裂孔を起こしたりします。また黄斑部に網膜浮腫をおこして視力低下につながります。黄斑浮腫は以前は決定的な治療法なかったですが、最近では抗VEGF剤を硝子体に注射したり、硝子体手術によって症状軽減するようになってきました。

こちらは根元の血管が詰まって全体に出血しています。 視力障害の程度は、血管が詰まった範囲に依存します。特に中心部付近 が詰まると視力障害も強いです。 治療方法は主治医の先生によりますが、 以前は、血管が通っていない、無還流領域を網膜光凝固術していました。 その無還流領域から血管新生因子を発現し、新生血管を生やします。 その新生血管がくせもので、さらに出血を起こしやすくします。 後に、中心部に血液の水の成分が漏れ出して、黄斑浮腫という状態が 起こり視力障害になります。以前は硝子体手術をしていましたが、 最近、抗VEGFを直接硝子体内に投与すると速やかに軽快します。 あと合併症として、網膜剥離や硝子体出血、虹彩ルベオーシス、血管新生緑内障を起こすこともあり、 ケアが必要です。

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